193話 哀悼 フィロソフィ
【謙虚な姿勢】
Sさんは、月に一度、自宅近くの理容室に散髪に行きます。担当の理容師とは十年来の付き合いで、細かな要望等を伝えなくてもいつも通りの髪型にしてもらえるため、毎回散髪をお願いしていました。
ある日Sさんが散髪に行くと、担当の理容師が体調不良で出勤しておらず、最近入店したという二十代の理容師が担当することになりました。
<いつもの人ではないけれど大丈夫かな>
とSさんは不安になりましたが、その日にどうしても散髪する必要があったため、お願いすることにしたのです。
Sさんは髪型の要望を理容師に伝える中で、日頃の髪に関する些細な悩みを話すと、新たな髪型の提案や、セット方法を丁寧に教えてくれたのです。
その真摯な姿勢に心を打たれたSさんは、当日の理容師の提案通りに任せると、いつにも増して素晴らしい仕上がりとなったのでした。
Sさんはこの時、年齢で人を判断していた自分を反省し、日頃の業務においても、若い世代から学ばせていただくという姿勢で臨もうと決めました。
さて今日の実践は?
常に謙虚であらねばならない
本日、京セラの創業者である稲盛和夫名誉会長が8月24日にお亡くなりになられたと報道がありました。
今日は哀悼の意を込めまして、フィロソフィからのひと言を引用させていただきます。
世の中が豊かになるにつれて、自己中心的な価値観をもち、自己主張の強い人が増えてきたといわれています。
しかし、この考え方ではエゴとエゴの争いが生じ、チームワークを必要とする仕事などできるはずがなあかということ。
自分の能力やわずかな成功を鼻にかけ、傲岸不遜になるようなことがあると、周囲の人たちの協力が得られないばかりか、自分自身の成長の妨げにもなるのです。
そこで集団のベクトルを合わせ、良い雰囲気を保ちながら最も高い能率で職場を運営するためには、常にみんながいるから自分が存在できるという認識のもとに、謙虚な姿勢をもち続けることが大切です。
普段の何気ない振る舞いが、不遜な振る舞いになってしまうこともあると思います。人間ですから。そんな時には「常に謙虚であらねばならない」この言葉を思い出そうと思います。
本日も一日お疲れ様でした!