240話 うまくいく時
刻石流水(こくせきりゅうすい)とは、「受けた恩義はどんな小さくても心の石に刻み、施したことは水に流す」ことを言います。
人から受けた恩は、その人に返すのみならず、より多くのひとに施すこと。そして自分が施したことは、その瞬間に忘れる事。
もともとは、仏教経典にあった『懸情流水 受恩刻石(情を懸けしは、水に流し、恩を受けしは、石に刻むべし)』から来ている言葉のようです。
こういった考えを持っていると、うまく行った時には誰かに感謝したくなりますし、うまく行かない時には決して他責にしなくなります。
うまくいく時は往々にしてこういった思考で過ごしていることが多い気がします。
逆に、なかなか成果が出ないときの特徴としてはこの考え方の真逆の事をしてしまいがちです。
『うまく行かないのは周囲の環境に問題があるのに、自分の努力は相手が認めてくれない』
こんなふうに思考を巡らせていれば、うまくいくものも、うまくいきません。
ありがとうを言わない人がありがとうを言ってもらえないのは当たり前の事です。他人と過去は変えられないと言います。とはいえ未来を自分の力で直接的に変えることも不可能です。