177話 京都五山送り火
【お盆】
この時期に各地で行われる伝統行事の一つにお盆があります。元は仏教の行事として中国から伝わったとされますが、現代の日本では先祖や亡き人を偲(しの)び、その御霊(みたま)をお迎えし、感謝する時期として広く定着しています。
地域によって様々な風習や文化が伝えられていますが、迎え火を焚いて御霊をお迎えして、故人の好物等をお供えしてもてなし、送り火を焚いてお送りするというのが、一般的に広く知られたお盆の過ごし方といえるでしょう。
お迎えするにあたっては、いち早く駆けつけてもらうために、故人の乗り物として胡瓜で馬をつくります。お送りする際には茄子で作った牛に揺られてゆっくりお帰りいただく、とそれぞれに思いが込められているそうです。
亡き人が私を見守り導いてくれる、という考え方や価値観が、現代社会にも連綿と受け継がれ、祖先に感謝するための各種様式となって今に伝えられています。
さて結果は?
習慣△!
私は定期的にお墓参りには行くのですが、この時期はことのほか想いが強くなりますね。
一昔前に京都に旅に出た話。
ちょうど今の時期でした。京都は山形と地形が似ており盆地です。周りが山々に囲まれており、遠目の景色がどことなく山形を感じさせられたのを思い出します。
その京都ではお盆の時期に「五山送り火」があります。よく言われがちな「大文字焼き」という名称は正しくはありません。
それはどうしてか?
東山如意ヶ岳の「大文字」にスポットがあたりがちですが、実は時間をずらして5つの山で「大」「妙」「法」「船の形」「左大文字」
「鳥居の形」の送り火が行われるからです。

「大文字」東山如意ヶ嶽
「妙」松ヶ崎西山(万灯籠山)
「法」松ヶ崎東山(大黒天山)
「船形」西賀茂船山
「左大文字」大北山大文字山
「鳥居形」嵯峨鳥居本曼荼羅山
この送り火には盆に我が家に戻ってきた先祖の精霊が、再び冥府に帰るのを送るという意味があります。
私がお盆を強く意識し始めたきっかけは、この「京都五山送り火」を見てからでした。地域によってさまざまなお盆の風習があります。自分自身を、自身の地元を、自分の国を自分の感覚の中に明確に存在させるには、外に出てさまざまなものを見、聞き、感じる事なんだなと改めて思い返した一日でした!
今日も一日お疲れ様でした!
