188話 失敗しない自己主張の仕方
更新日:2022年8月26日
【アサーション】
物事を考える時に自分の経験を踏まえることは、誰にでもあることでしょう。
ただし、自分のやり方に固執(こしゅう)してしまうと、考え方に偏りが生じかねません。そうならないためには普段から積極的に人と意見を交わすことが必要です。
とはいえ、話し合いが大切であることを理解していても、いざ行動に移すとなると自分の意見を素直に言えなくなってしまう場合があります。
その理由としては、
①相手の社会的な地位や年齢を気にする
②自分の考えがあっても<これを言ったら、みんなはどう感じるだろう>と周囲に気兼ねする
③<笑われたら恥ずかしいから>と遠慮する
などが考えられます。
「三人寄らば文殊の知恵」といわれるように、同じ部署のメンバーと意見を交わしたり、他部署の人とも話し合ったりすることは、いろいろなアイデアを生み出すことに繋がるでしょう。
仕事の推進力やトラブルの解決策を見出せるような柔軟な思考力をより一層高めるためにも、自ら進んで意見を述べる姿勢を磨きたいものです。
さて今日の実践は?
私は、嫌われたくないという思いから本音を言えなかったり、忙しさのあまり、感情のままに言葉を発してしまったり。過去にそんな経験がたくさんあります。
皆さま、こんな言葉はご存知でしょうか?
アサーティブ・コミュニケーション
アサーション(Assertion)とは「断言」「主張」という意味の英語です。
日本語に訳しますと強いニュアンスの言葉に聞こえますが、アサーティブ・コミュニケーションとは、「自分を大切にし、相手も同じように大切にする」コミュニケーションの方法です。
例を挙げるとすると、レストランで注文したものとは違う料理が出てきた時、あなたなら、どうされますか?
①店員を大声で怒鳴る。
②何も言わず、出てきたものを食べる。
③丁寧に取り替えてほしいと頼む。
この場合は、③がアサーティブ・コミュニケーションになります。
言葉の意味は分かりましたが、それではどうすれば、アサーティブな態度をとることができるようになるのでしょう?
いまの自分の気持ちを受け止める
アサーティブな態度をとるために一番重要なのは、今、自分がどんな気持ちかをきちんと把握することです。例えば、怒っているのに、それを自分で認めないと、感情だけが先走って暴言を吐いてしまったり、声が震えたり…と、意志を正確に伝えることが難しくなります。
相手が理解しやすい言葉を選ぶ
曖昧で、しかも強制的な表現「ちゃんと、しっかり」を使ってしまうことはありませんか。これらの言葉は漠然としていて、いったい何を、どこまで求めているのか、相手には伝わりませんので、具体的に相手に分かる言葉にして伝える必要があります。
人に責任を押しつけない
責任を周囲の人に押しつける表現をしてしまうことは、他人事のような言動をする人に無責任さを感じて不信感を持ったりします。
「私」を主語にすればスッと伝わる
「私」の視点で、責任の所在を明らかにする話し方を「アイ・メッセージ(I Message)」と言います。逆に、相手に視点を置いた「ユー・メッセージ(You Message)」は、売り言葉に買い言葉になりがちです。
事実と、自分の要望を具体的に伝える
個人を批判するような感情が結論になる言い方は、相手のプライドを傷つけてしまい、結局は自分が言いたいことが伝わりません。
自分の言葉癖に気づく
早口・語尾を強め・声が小さい・前置きが長い・相槌を打たないなどなど、言葉癖は、相手に与える自分の印象を大きく左右します。
ポジティブな表現でよい人間関係を築く
ねぎらいや感謝の言葉=ポジティブな表現は、気持ちのよいコミュニケーションを生み、よい人間関係につながります。
外見からアサーティブになる
コミュニケーションの要素には、言葉だけでなく、表情、声、服装、アイコンタクト、ボディランゲージなどもありますので、今より自分の魅力を生かせるよう工夫してみる。
このように、自ら意見を述べるにしても、相手への気遣いやその注意点を意識するだけで、よりよいコミュニケーションができるようになります。
特に管理職や上司、経営者の皆様方におかれましては、コミュニケーションの前提として上下関係と立場が関わってきますので、自己を主張する際は、アサーティブ・コミュニケーションを思い出してるといいかもしれません。
かくいう私も、声が小さくこもりやすいので、9月から発声訓練を学んできます!今日も一日お疲れ様でした!
