201話 それはリンゲルマン効果ですか?
【それはリンゲルマン効果ですか?】
皆で助け合いながら成果を得る行為は、社会で広く行われています。その場合、何も協力していない人も恩恵を受けられることがあります。
地域住民による近隣の清掃活動は、一つの例と言えるでしょう。清掃活動では、参加者が自分の時間と労力を割くことで、地域が清潔に保たれます。
会社においては、備品を大切に扱うこと、共有スペースを綺麗に使うこと、社内の雰囲気を明るく保つこと、などが挙げられるでしょう。私たちは助け合いに参加することなく、その恩恵だけを受けることがあるかもしれません。
こうした行為の原因の一つは、<自分一人くらい協力しなくても大丈夫だろう>と考えることにあります。しかし全員が<自分一人くらい>と考えると、助け合いは成り立たなくなってしまいます。
職場には、様々な助け合いがあります。その助け合いから自分がどのような恩恵をうけているでしょうか。そのために他者はどのような働きをしているでしょうか。
職場の助け合いに貢献できているのか、考える機会を持ちたいものです。
さて今日の学びは?
こんな効果をご存知ですか?
リンゲルマン効果
リンゲルマン効果とは、集団で共同作業をする場合、一人で作業するのに比べ、人数の増加とともに一人あたりの仕事効率が低下する現象をいいます。意識する・しないに関わらず、個々の力を出し切らない現象で、「社会的手抜き(怠慢)」もしくは「フリーライダー(ただ乗り)現象」などとも言われます。
一方で「傍観者効果」という事象もあります。
傍観者効果とは、誰かが行うべき作業や参加すべき事象があった場合、その作業や事象に自ら率先して行動しないことを指します。
〜それぞれの違い〜
リンゲルマン効果と傍観者効果は、集団の中で率先して行動を起こさない点では共通していますが、詳細は異なります。 リンゲルマン効果は、自分が意図してそうしようと思わなくとも、人数が増えたことにより自然と力を出し切らない状態にいたる現象です。これに対して、傍観者効果は意図して手を抜くという違いがあります。
組織の大小に関わらず、こういった事象が起きることはあらかじめわかっていること。わかっていれば、その人を責めることもなく対策を立てることができます。人を責める前に組織の仕組みや在り方をまず振り返ることが大切だと感じます。
それがリンゲルマン効果であれば尚更ですね。
責め心のない厳しさを持って日々を過ごしていきたいものです。
今日も一日お疲れ様でした!